3人の三島とひふみ神示

※リンク切れなど一部を修正しました(3/31)

今回の記事を書き進める前に、日本書紀の記述から、伊奘諾尊(イザナギのみこと)と伊奘冉尊(イザナミのみこと)が黄泉の国と現世との境にある、泉津平坂(よもつひらさか)の大岩越しに交わした有名な会話のシーンを読んで頂きます。

 故(かれ)便(すなは)ち千人所引(ちびき)の磐石(いは)を以て、其の坂路(さかぢ)に塞(ふさ)ひて、伊奘冉尊と相向(あひむ)きて立ちて、遂に絶妻之誓(ことど)建(わた)す。

 時に、伊奘冉尊の日(のたま)はく、「愛(うるは)しき吾が夫君(なせのみこと)し、如此(かく)言(のたま)はば、吾(われ)は当(まさ)に汝(いまし)が治す国民(ひとくさ)、日に千頭(ちこうべ)縊(くび)り殺さむ」とのたまふ。伊奘諾尊、乃ち報(こた)へて日(のたま)はく、「愛(うるは)しき吾が妹(なにものみこと)し、如此(かく)言(のたま)はば、吾は当に日に千五百頭(ちこうべあまりいほかうべ)産ましめむ」とのたまふ。

岩波新書 日本書紀(一)神代上 一書

以上は、死んだイザナミを追いかけて黄泉の国に下ったイザナギが、妻の朽ち果てた醜い姿を見て逃げ帰り、2つの世界を仕切る大岩を挟んで交わした会話です。

妻のイザナミは、日に1000人を殺すと呪い、夫のイザナミは、それならば日に1500人の人を産ませると宣言するのですが、一応これは神話なので、なんとなく凄まじい話だなと思いつつ、特に深くも考えず読み飛ばした方は多いと思います(私もそうでした)。

しかし、もはや暗号の書と言っても良い記紀には無駄なエピソードなどなく、この記述の中にも日本古代史を紐解く隠された意味があるのです。

それが、前回のブログ記事「三浦春馬のカネ恋と少女神」と大きく関連することを今回はお伝えしようと思います。

■3人の三島

前回の記事の中で、ドラマ「おカネの切れ目が恋の始まり」の最終話第4話で、ヒロインの九鬼玲子(くきれいこ)が、特に意味も無く、伊豆急行線の「片瀬白田駅」で下車し、いかめしを食べるシーンが挿入されており、そこに、三宅島と神津島に関する歴史的暗喩が含まれていると説明しました。

画像1:前回記事から。玲子と三宅島、神津島の位置関係

この片瀬白田駅の近くには、志理太乎宜神社(しりたおぎ神社)と片菅神社(かたすけ神社の2つがあり、それぞれの祭神である志理太乎宜命と片菅命とは、鎌倉時代の文書「三宅記」によると、三嶋神の第3皇后である佐岐多麻比咩(さきたまひめ)が三宅島で産んだ8人の王子の中の2人を指すことが分かります。

ここで、Shrine-heritagerさんの記事を参考に、この8人の王子の名前を列記すると次の様になります。

 第1王子:ナコ(南子命)
 第2王子:カネ(加彌命)
 第3王子:ヤス(夜須命)
 第4王子:テイ(氐良命)
 第5王子:イタヒ(志理太宜命)
 第6王子:クラヒ(久良恵命)
 第7王子:カタスケ(片菅命)
 第8王子:ヒンスケ(波夜志命)

8人の王子それぞれを祀る神社が三宅島にはあるようなのですが、その内の3人については、陸側の伊豆半島に分社が作られています。それは次の3名となります。

 第5王子:イタヒ(志理太宜命) 片瀬白田
 第7王子:カタスケ(片菅命)  片瀬白田
 第8王子:ヒンスケ(波夜志命) 下田

片瀬白田と下田、どちらもドラマで玲子が降り立った駅の名前です。さて、何故8人の王子の内、3人だけが分社を置かれたのか、それについては知る由もないのですが、ただ、幾つかの気になる点があります。

まず、何度も繰り返しますが、三嶋神とは

 三島大神=三嶋湟咋=彦火火出見=賀茂建角身

であることがこれまでの分析から分かっており、彦火火出見(ひこほほでみ)とは瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に続く王(天皇)ですから、第3皇后の息子であれ

 三島8王子は天皇の息子たち

ということになります。

本ブログで展開している少女神解釈では、王権を継承できるのはあくまでも女性側ですので、例え天皇の実子とはいえ、男性はそのまま自動的に王になれる訳ではないのです。

さて、ここで「8人の中の3人」の意味を考えてみます。とは言ってもただの言葉いじりなのですが、

 三島8王子 → 8 → 八
 分社3王子 → 3 → 三

 三八 → みや → 宮

と導くことができます。また、8王子たちが産まれた三宅島については

 三宅島 → みやけ島 → 宮家島

と変換することができるのです。

これだけと本当にただの言葉遊びなのですが、三島8王子が天皇の息子たちであるとすれば、「宮」あるいは「宮家」(天皇の血筋)の持つ意味とうまい具合に被って来るので、何かの冗談だと一笑に付すのも躊躇われるのです。

■王輩出家系と三嶋

少女神という女系による王権継承を考えた時、次の皇后が定まったとするならば、その配偶者、すなわち王はどのように決まるのかを考えてみます。

男系社会では、その女性配偶者を選ぶ時に「良家の子女」という相手の家柄を見て相手を選ぶ選択基準がありますが、それでは、女系継承の場合は何を基準に相手の男性を選ぶのでしょうか?

まさか、男なら誰でも良いという訳ではなく、その資質をある程度担保できる基準を定めるはずです。ましてや、一国の王となる人物なのですから。すると一番に思い付くのが、

 良家の男子

ということになるのですが、問題なのは何を以って「良家」とするかです。

現代なら、資産家の家系である、国家功労者の家系であるなど様々な基準があるかもしれませんが、その中でもやはり「宮家」の血筋は特別視されるのではないでしょうか?

つまり、古代日本においても王の血統は圧倒的優位性を保っていたと考えられるのです。但し、血筋は世代と共にネズミ算式に広がりを見せたり、はたまた断絶してしまう可能性があります。ですからそれを補う基準を設けなければいけません。一番考えられるのが、複数の王輩出家系を作り、その直系あるいは直系に最も近い男子を王に差し出すという仕組みです。

ここまで書くと私が何を言いたいかお分かりだと思います。すなわち

 伊豆分社三島3王子とは、後の王輩出家系の祖先だった

のではないかということなのです。

■もう一人の天皇

随分前の記事になりますが、2015年6月12日の(新)ブログ記事「2015年の慰霊(4)」で、中京地方のある神社に不思議な案内書きが建てられているのをご紹介したことがあります。

画像2:「2015年の慰霊(4)」から(個人名は消しています)

昭和61年に即位20年を記念するこの記述は、明らかにもう一人の天皇がこの国に居ることを示しています。

この国に「裏天皇」なる存在がいるのではないかとは、以前から囁かれていることですが、この案内板が存在することは、それが単なる噂などではなく事実を示すものであるとは考えられないでしょうか?

そうなると、前節で述べた三島3王子が男性王の輩出家系ではないかとする推測は、もしかしたら、3家から同時期に3人の王が選出されているのではないかという考えに変わるのです。もちろん、私たち一般国民が知らされる天皇はたった一人だけなのですが。

これを裏付ける確証とはならないかもしれませんが、この国には奇妙な「三」の符号が多く見られます。

 三島の「三」
 三つ巴の「三」
 門松の「三」本松
 「三」段の鏡餅

果たしてこれらは関係ないと言い切れるでしょうか?

画像3:門松と鏡餅。
近年は2段にみかんという鏡餅が主流だが、正式には3段。
みかんを飾りに乗せるのにも重要な意味がある。

■3人の王と2人の少女神

ここで話を少女神に戻します。このブログでは、少女神を王権授受権を有する皇后と捉えるほかに、政体とシャーマンの2人の少女神、あるいは双子の少女神が存在するとも見ています。

詳しくは、本ブログのサイト検索で「双子」と入れて関係記事を探してみてください。

ここで、前節の3人の王と2人の少女神という推測から

 三島王:3人
 少女神:2人

となりますが、これに冒頭で述べたイザナギ・イザナミの神話から、数字だけを取り出すと

 イザナギ(男性王):1500人
 イザナミ(皇后) :1000人

となり、

 三島王:少女神 = イザナギ:イザナミ = 3:2

という関係が導かれるのです。要するに王と王妃の割合を示していると解釈できるのですが、人は1以下には分割できないので、どうしても最小公約数であるこの人数の割合となってしまうのです。

これだけだとただの偶然かもしれませんが、これを補足すると考えられる次のような文面が、ひふみ神示には見られるのです。

五人あるぞ、中二人、外三人、この仕組 天の仕組。

五十黙示録 扶桑の巻 9帖

千引岩をとざすに際して、ナミの神は夫神の治(し)らす国の人民を日に千人喰ひ殺すと申され、ナギの神は日に千五百の産屋(うぶや)を建てると申されたのであるぞ。これが日本の国の、又地上の別名であるぞ、数をよく極めて下されば判ることぞ、天は二一六、地は一四四と申してあろうが

五十黙示録 至恩の巻 9帖

2番目の文書を補足すると

 千五百の産屋:千人 = 216(天):144(地) = 3:2

となることはもうお分かりでしょう。

ですから、三島3王子から少々苦しい導入でしたが、3人の王と2人の少女神という仮説はまんざら突拍子もないとは言い切れないのです。

そうであるならば、ドラマ「カネ恋」第4話は、3人の王と2人の少女神の存在を示しており、まさしくそれはこの国の隠された天皇統治の仕組みを示していたと言えるのです。

どうやら、三浦春馬さんはテレビドラマの体をした、どえらい呪詛に巻き込まれてしまったようです。


ささげてむ 和稲荒稲(わしねあらしね) 横山のごと。
管理人 日月土

三浦春馬のカネ恋と少女神

三浦春馬さんの話題が続き、今回でかれこれ連続4回目の記事となります。

ここでは、前回に続いて春馬さんが最後に出演したドラマ「おカネの切れ目が恋の始まり」(カネ恋)に表現されたシーンについて深掘りします。対象となるのは最終回第4話です。

■未完のドラマの最終話

カネ恋は、その撮影中に主演の三浦春馬さんがお亡くなりになられたため、ドラマとしては未完のまま終了します。

最終回の第4話では、春馬さん演じる猿渡慶太が家を出たきり帰って来ないという設定の下、他の出演者が慶太の思い出話を語るという筋書きで話が進み、皆で慶太の帰りを待つというエンディングを迎えます。

この中で、ドラマのヒロイン九鬼玲子が、少女時代に家を出た父に合う為に、伊豆半島の下田を訪ねるというストーリーが、話の中核として展開します。

さて、伊豆半島、それも下田と聞いただけで私は「おや?」と思ってしまうのですが、どういうことかと言えば、下田は過去記事「伊古奈姫と豊玉姫、そして123便」で取り上げたように、少しいわくつきの場所なのです。

しかし、下田に到着する前に、玲子は同伴していた板垣純を電車に残し、駅売りの「いかめし」を買いに出て、案の定電車に乗り遅れるのです。

画像1:伊豆急行「片瀬白田」駅で「いかめし」のぼりを見つけた玲子

正直、このシーンでは、駅のホームで「いかめし」をほおばりながら次の電車を待つ玲子が映されているだけで、これがなくてもドラマの展開にまったく支障がないのです。

これは何かあるなと思い、Googleマップで同駅の周辺を調べたところ、「神社」による検索で次のような結果を得ました。

画像2:片瀬白田駅周辺の神社

この2つの神社は次の様に読みます。

 ・志理太乎宜神社(しりたおぎ神社)
 ・片菅神社(かたすけ神社)

祭神はそれぞれ、

 ・志理太乎宜命
 ・片菅命

で、祭神名がそのまま神社の名前になっています。

実は「片瀬白田」という駅名は片瀬(=片菅)と白田(=志理太乎宜)の名前を合わせて作られているようなのです。

聞き慣れない神名なのですが、鎌倉時代末期に編纂された「三宅記」の伝承によると、三嶋大明神の第3皇后である佐岐多麻比咩命(さきたまひめのみこと)が三宅島で産んだ8人の王子、その中の2人であるということです。

元々は三宅島に祀られていた神様だったのですが、分霊されてこの地の社に置かれたということです。

両神社については、Shrine-heritagerさんのページにたいへん詳しいので、ぜひそちらをご覧になってください。

 ・Shrine-heritager 志理太乎宜神社 
 ・Shrine-heritager 片菅神社 

どうやら、この駅周辺の主要な神社はこれだけのようなのですが、お気付きの様に、三嶋神とは昨年しつこく考察を続けた神名で、一般には「事代主」のことだと思われがちですが、分析の結果、どうやら、

 三島大神=三島湟咋=彦火火出見=賀茂建角身

が同一神(あるいは同一人)を指していることが分かっています。詳しくは「三嶋神と少女神のまとめ」をご覧になってください。

この考察の中で、下田の伊古奈姫神社の祭神である伊古奈姫が三嶋神の第2皇后であり、三嶋神の正皇后とされる豊玉姫とは、双子の少女神の関係であったのではとしましたが、困ったことに第3皇后(佐岐多麻比咩)がここに登場し、更に複雑なことになってしまいました。もしかしたら、三つ子の少女神も考慮に入れる必要があるのかもしれません。

さて、玲子の最終目的地である下田が三嶋神の第2皇后「伊古奈姫」を指しているとすれば、途中下車した片瀬白田は、その皇子を通して間接的に第3皇后「佐岐多麻比咩」を指しているのではないかと考えられます。

要するに、カネ恋第4話は、そのロケ地を通して

 少女神

のことを何か伝えようとしていると考えられるのです。

■東南の角と伊豆七島

カネ恋のドラマ設定に関する分析を記した真ブログ記事「三浦春馬の死とカネ恋の呪い2」、では、登場人物名に埋め込まれた干支による方位の解析から、東南の角が開かれている、あるいは東南の方角を指していると分析されましたが、この方位による解析を地図上の伊豆半島に適用すると次の様になります。

画像3:伊豆半島東南の島々

記録では、伊古奈姫は神津島、佐岐多麻比咩は三宅島に移されたと伝えられていますが、伊豆半島のだいたい東南側にこの両島は位置するのです。

実は、この無駄とも言える玲子の「いかめしシーン」には、問題の二つの島がピタリとアングルに収まるカットも含まれているのです。

画像4:玲子の座った場所がほぼ三宅島の方角を指す

美しい伊豆の海を映像化したかったから?それならば、送電線だらけの駅ホームをわざわざロケ場所にしなくても、撮影に適した場所はいくらでもあります。

つまり、カネ恋第4話は三嶋神(あるいは彦火火出見)が婿入りした少女神を強く意識しているのは間違いないであろうと私は捉えるのですが如何でしょうか?

三浦春馬さんに関しては、これ迄の分析から次のキーワードが抽出されました。

 ユダヤ:イッサカル族(馬)、ナフタリ族(鹿)
 猿田彦と猿女
 少女神(三嶋神の皇后)

そして、竹内結子さんからは次を得ています。

 ユダヤ:ナフタリ族(鹿)
 古代タカミムスビ王統

どうやらお二人の不審な死に方には、古代日本に関わるとんでもない秘密、あるいは呪いが込められている様なのですが、今回の分析により、2020年に起きた著名人の不審死リストにもう一人の人物を加える必要があることに気付きました。

それについては、次回以降お知らせいたしましょう。


管理人 日月土

三浦春馬と猿の暗号

前々回及び前回のブログ記事では、2020年に「クローゼットで首吊り」という不審な亡くなられ方をした二人の俳優(三浦春馬さん、竹内結子さん)の死について、古代史的な解釈を用いてその意味を考察してみました。

 ・前々回 三浦春馬と馬鹿 
 ・前回  竹内結子と鹿の暗号 

そこから得た一つの解釈が

 素姓を隠したまま死ね

という呪いのメッセージであり、素姓とはイッサカル族(馬)そしてナフタリ族(鹿)という、古代期における日本とユダヤ十二支族の関係性であり、呪いの向かう先はおそらく現皇室ではないかとの結論を見ています。

■カネ恋と馬鹿

三浦春馬さんの話題を扱う上で、私にとってネックだったのが彼の出演作品を殆ど観たことがないという点でした。

今回このテーマを扱う中で、彼が出演した最後のテレビドラマで、そのストーリー設定からも多くの呪術的要素が見られる「おカネの切れ目が恋のはじまり」(略称:カネ恋)くらいは観ておかねばならないと判断し、つい最近、主演者死去のため4回で打ち切られた同ドラマの有料配信(特別編集版)に目を通してみたのです。

画像1:カネ恋の登場人物と十二支(方位)
 伊勢の猿田彦神社の方位石から南東側に佐瑠女(さるめ)神社がある
 関連記事:佐瑠女神社と三浦春馬の呪い 

上図を書き起した時に、登場人物などドラマの構成についてはある程度調べており、このドラマの大枠については大体分かっていたつもりでしたが、実際に三浦さんがドラマの中でどのように演出されていたのか、また、人間関係の描写等からそこに隠された別の意図を知ることができたのは大きな収穫でした。

三浦さんと馬鹿(うましか)の関係性については、既に前々回の記事で述べていますが、おそらくその関係性を表す侮蔑用語「馬鹿」(ばか)は劇中で絶対に使われていると踏んでいたところ、案の定、第一話の冒頭から三浦さんが演じる猿渡慶太(さるわたり けいた)に向けて、父親の猿渡富彦(さるわたり とみひこ)からこの言葉が発せられたのです。

画像2:第一話で息子の慶太をぼやく父の富彦(草刈正雄)

これに続いて、他の社員やヒロインの九鬼玲子(くき れいこ)から「馬鹿」(ばか)が連発して表現されており、どうやら「猿渡慶太(三浦春馬)は馬鹿(ばか)」という印象をドラマの最初から与えるようにセリフが組まれているとも見えるのです。

この猿渡慶太の役どころは、お金の使い方に非常識な社長の息子という設定ですから、周囲に馬鹿(ばか)と呼ばれても違和感のないものになっています。

これらの設定が果たして本ブログで指摘したユダヤ十二支族による歴史的背景を意図していたものかどうか?コメディものではありがちな設定とも言えるので、この段階では何とも判断できないとしておきましょう。

■カネ恋と猿の暗号

さて、このドラマで気になるのは、登場人物名の多くが干支の十二支に登場する動物名にちなんで付けられていることで、それについては「佐瑠女神社と三浦春馬の呪い」で既に述べており、方位による分析も行っています。

このドラマの隠された意図を理解する上で最も重要と思われるのが、何と言っても主役の名前

 渡慶太

でしょう。

そういえばこのドラマ、慶太の勤める会社が父親の経営するおもちゃの製造会社「モンキーパス」ですし、ヒロインの玲子が慶太を知るきっかけとなったのが「猿が描かれた小皿」。慶太は猿が描かれたビンテージアロハを着ているし、この会社が制作した猿型のロボットはドラマの中でまるで準登場人物のような扱いをされています。

とにかくこのドラマは「猿」尽くしなのです。

画像3:猿之助(左)と猿彦(右)

ここで注目なのが、慶太が日頃側に置いて大事にしている猿型ロボットの名前が「猿彦」(さるひこ)であり(画像3)、これは日本神話に登場する猿田彦(さるたひこ)とそっくりな名前であると言えないでしょうか?ここで、本ブログがテーマとしている日本古代史と話が繋がってくるのです

ちなみ「猿之助」(えんのすけ)の方は、父親の富彦が側に置いているという設定となっています。

父親の富彦と息子の慶太が、猿型ロボットを常に大事に手元に置いている。コメディドラマでは割りとありがちな、つまらないことへの愛着を極端に強調した表現のようにも見えますが、果たしてそれだけなのでしょうか?

これを理解するためには、名前をもじられた日本神話の神「猿田彦」についておさらいする必要があります。猿田彦については、アニメ表現の分析を中心に過去に何度か記事にしていますが、「令和五年のブログ記事まとめ」の中の小見出し「記紀から名を消された古代王」に短くまとめていますので、まずはそちらをお読みになってください。

秀真伝(ほつまつたえ)には、火明命(ほのあかりのみこと)と瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)との2王朝並立時代があったと記されています。火明命とはこれまでの分析から猿田彦その人であることが分かっています。

万世一系を信条とする皇統論の中では2王朝並立期などあってはならない話であり、そのため、猿田彦とは火明命の蔑称として後の歴史家が付けた名前なのであろうと私は見ています。

その歴史から消されたはずの古代王を何故ここまで前面に押し出して来たのか?それについての詳細は未だ不明ではありますが、おそらくこのドラマが構成している「方位の呪術」と大きく関係しているのではないかと予想されるのです。

■猿のユダヤ解釈

さて、ここでちょっと困ったのが、これまで三浦春馬さんと竹内結子さんの名前に込められた意味を、それぞれ「馬鹿」(うましか)、「鹿」(しか)と分析し、そこからユダヤ十二支族のイッサカル族(馬)とナフタリ族(鹿)との関係性を割り出したのですが、「猿」については十二支族のそれぞれ紋章の中に見当たりません。

画像4:ユダヤ十二支族の紋章

やはり、ユダヤ解釈では無理があるのか・・と考えあぐんでいたところ、前述した「2王朝並立時代」という言葉の中に大きなヒントがありました。

旧約聖書をお読みになる方ならご存知のように、サウルから始まるユダヤの王統は、2つの王朝に分裂します。それは

 ユダ王国 と 北イスラエル王国

です。

ユダ王国は、ユダ族とベニヤミン族が中心となった王国、北イスラエル王国はそれ以外の10支族により構成されています。この2国はしばらく並立しますが、後にまた一つの王朝へと戻ることになります。

これだけだと、2王朝並立の部分が同じだけだと言われそうなのですが、この王朝分列のきっかけとなったのが、イスラエル王国の第3代王となった

 שלמה

これは「シェロモー」に近い発音なのですが、一般音訳では

 ソロモン

と表記します。

ヘブライ語は基本的に母音表記をしないので、これを英字表記にすれば

 SLMN

となります。

私が気になるのはこの

 SL(של)

の部分で、母音の添え方次第で幾通りにも読めるのですが、その中にSaLu(サル)も含まれることは注目に値します。

ソロモン王は、ユダヤの王の中でも知恵に秀で、王国に最も繫栄したもたらした王とされていますが、エジプトのファラオの娘を娶ったり偶像崇拝に走るなど、ユダヤの教えを破った最も堕落した王と評されることもあります。

要するに、猿田彦という名には、獣として蔑視の意味を込めた「猿」だけでなく、ユダヤの王朝並立を招いてしまったソロモン王への揶揄が込められているとは考えられないでしょうか?

もっと直接的に表現するならば、猿田彦、すなわち火明命とは、古代ユダヤ王権、特にソロモン王と関係する人物ではなかったのかとも考えられるのです。

しかし、仮にこの説が正しいとしても、どうしてカネ恋の中でここまでソロモン王が強調されるのかについては、やはりよく分からないままなのです。

ここで、呪術的な論理による解釈を許していただけるなら、猿渡慶太こと三浦春馬さんはドラマの収録途中でお亡くなりになった。彼の芸名には、イッサカル・ナフタリの2つのユダヤ支族の名が刻まれているが、同時に、役名として与えられた猿にはユダヤ王ソロモン、そして火明命の名も刻まれていた。要するにこれらまとめて

 素姓を隠したまま死ね

という呪いだったのではなかったのか・・・

ダビデは妻バト・シェバを慰め、彼女のところに行って床を共にした。バト・シェバは男の子を産み、ダビデはその子をソロモンと名付けた。主はその子を愛され、預言者ナタンを通してそのことを示されたので、主のゆえにその子をエディドヤ(主に愛された者)とも名付けた。

サムエル記下 第12章24,25節



管理人 日月土