前回の記事「アニメに表れた宗像三女神」では、昨年少しだけ話題になったアニメ「しかのこのこのここしたんたん」に登場するキャラクターが、日本神話における次の神名に対応していることを説明しました。
鹿乃子のこ(のこたん): 志賀神(しかのかみ)
虎視虎子(こしたん) : タギリ姫
虎視餡子 : タゴリ姫
馬車芽めめ : イチキシマ姫

©おしおしお・講談社/日野南高校シカ部
ここに登場する姫とは、宗像三女伸として神話に残された名前です。そして、志賀神は表筒男命(うわつつのおのみこと)、中筒男命(なかつつのおのみこと)、そして底筒男命(そこつつのおのみこと)の三神を統合して表す神名であり、実際にはこれが上下三層に区切られた
方舟(はこぶね)
を表すことは、既に判明しています。これについては、以下の関連記事をご覧になってください。
関連記事:鹿と方舟信仰
さて、ここで問いたいのは、前回では考察を保留した大きな問題点
方舟と宗像三女神の関係性
なのです。
■古代女王の世代別整理
これについては、ここに登場する名前を眺めていても分からないので、三女神となった姫神の他に、前後世代の女王をこれに添えてまとめてみました。
以前からお伝えしているように、古代日本の王権は女性が継承していたと考えられるので(少女神仮説)、ここでは男性王の名は女王名に添えて記すことにします。

この画像は世代ごとの女王もしくは皇女を、世代毎に大まかに整理したものです。この中でツクヨミさんに関しては、性別不詳のため(秀真伝では男性)とりあえず女性として扱っています。
また、水や大水(洪水)に関係しそうな方の名前には、水色の円形マークを添えています。水色マークを付けた理由は以下の様になります。
イザナミ:
神話の中で、イザナギと共に海上に陸地を生み出した(国生み)神と記述されている。陸地が海水に隠れている状況とは世界的な大洪水を示しているのではないか?
ムカツ姫:
別名は瀬織津姫(せおりつひめ)。祓戸四神の中の一神で、水でこの世を浄化する神と考えられている。これは当時起きた洪水を示しているのではないか?
ツクヨミ:
月読と漢字で表記されることが多い。月はそもそも水を表す言葉でもある。また日本書紀の一書六では、滄海原を治める役目の神と記されている。水との関係性が強い。
タギリ姫:
別名は豊玉姫。神話では龍宮城の姫。海の底にある宮殿、そしてそこに住む姫神という記述に、大洪水との関係性が窺える。
タゴリ姫:
同じく龍宮城出身の姫。
ヒコホホデミ:
自分が失くした兄の釣り針を探しに龍宮城へ出向き、そこで豊玉姫を見初める。
神話は史実の極端な婉曲表現と捉えた場合、このように上図の3世代にかけて水・大水(洪水)と関連性がありそうなのです。
この時代、特にアマテラスが王となったその前後、水の災難が頻発し、その中で国情が大いに混乱し、誓約で約束されたはずの男性王の継承が破られ、二人の女王(タギリ姫とタゴリ姫)が、ヒコホホデミ一派に連れ去られ王権を乗っ取られたというこれまでの想定も、あながち間違っていないのではないかと思われるのです。
もちろん、そこには洪水の難を逃れるための方舟が何艘も造られ、いつしか方舟がこの時代に起きた大洪水の象徴になったとは考えられないでしょうか?
さて、このように、この3代に渡る古代にどうやら大水が起きたのだろうと予想が付き、タギリ姫、タゴリ姫についても洪水(=方舟)の関係性が見えてきたのですが、それならば残りのイチキシマ姫についてはどうなのでしょうか?
それを理解する鍵となるのが、前回の記事の最後で紹介した次のアニメ作品なのです。

©ひらかわあや/小学館/アニプレックス
■綾瀬優が象徴するもの
このアニメ、帝乃三姉妹の他に、姉妹の家に居候した平凡な男子高校生「綾瀬優」(あやせゆう)を加えた4人がメインキャラクターにされています。画像3における右上の赤髪の少年キャラが綾瀬君です。
帝乃三姉妹はそれぞれ、次の様に宗像三女神に対応しています。
帝乃一輝(かずき):タギリ姫
帝乃二琥(にこ) :タゴリ姫
帝乃三和(みわ) :イチキシマ姫
キャラデザインの髪の色にも類似性がありますが、タゴリ姫を表すのが、鹿の子アニメが「虎子」、帝乃アニメが「二琥」と両者共に「虎」の字が含まれているのは、もはや偶然とは言い切れないものがあります。
すると「のこたん」と「綾瀬優」の間には何か共通点があるはずなのですが、それを考察する前に「綾瀬」にどのような意味があるのかを見なければなりません。
辞典などを調べても「綾瀬」という言葉に特別な意味はなく、ただそこには、地名としての「綾瀬」が説明されているだけです。
神奈川県には綾瀬市という自治体がありますが、どうして綾瀬と名が付いたかについては
3つの川(瀬)がこの土地を綾なして流れる様から
というのが、どうやら有力な説のようなのです。
何となくふわっとした説明で、これでは「綾瀬」に特別な意味は無いように見えますが、ここで注目すべきは、現在の在日米海軍の厚木基地は、厚木と言いながら、その面積の殆どが綾瀬市内に属していること、および、同基地は戦前
厚木海軍航空隊基地
であったことに大きな意味があると考えられるのです。
これを単純に捉えても
海軍 → 艦船 → 船 → 方舟
と連想されるのですが、どうやら、「綾瀬」という命名を選んだのには他の理由もあるようなのです。
それが何か?という問いに対しては「め」の字と答えるべきでしょう。鹿の子アニメでイチキシマ姫役を付されたキャラ「馬車女めめ」、この奇妙な「め」の字の連続には隠された意味があるのです。

テレビで見ない日はありませんよね。
管理人 日月土
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