三浦春馬と猿の暗号

前々回及び前回のブログ記事では、2020年に「クローゼットで首吊り」という不審な亡くなられ方をした二人の俳優(三浦春馬さん、竹内結子さん)の死について、古代史的な解釈を用いてその意味を考察してみました。

 ・前々回 三浦春馬と馬鹿 
 ・前回  竹内結子と鹿の暗号 

そこから得た一つの解釈が

 素姓を隠したまま死ね

という呪いのメッセージであり、素姓とはイッサカル族(馬)そしてナフタリ族(鹿)という、古代期における日本とユダヤ十二支族の関係性であり、呪いの向かう先はおそらく現皇室ではないかとの結論を見ています。

■カネ恋と馬鹿

三浦春馬さんの話題を扱う上で、私にとってネックだったのが彼の出演作品を殆ど観たことがないという点でした。

今回このテーマを扱う中で、彼が出演した最後のテレビドラマで、そのストーリー設定からも多くの呪術的要素が見られる「おカネの切れ目が恋のはじまり」(略称:カネ恋)くらいは観ておかねばならないと判断し、つい最近、主演者死去のため4回で打ち切られた同ドラマの有料配信(特別編集版)に目を通してみたのです。

画像1:カネ恋の登場人物と十二支(方位)
 伊勢の猿田彦神社の方位石から南東側に佐瑠女(さるめ)神社がある
 関連記事:佐瑠女神社と三浦春馬の呪い 

上図を書き起した時に、登場人物などドラマの構成についてはある程度調べており、このドラマの大枠については大体分かっていたつもりでしたが、実際に三浦さんがドラマの中でどのように演出されていたのか、また、人間関係の描写等からそこに隠された別の意図を知ることができたのは大きな収穫でした。

三浦さんと馬鹿(うましか)の関係性については、既に前々回の記事で述べていますが、おそらくその関係性を表す侮蔑用語「馬鹿」(ばか)は劇中で絶対に使われていると踏んでいたところ、案の定、第一話の冒頭から三浦さんが演じる猿渡慶太(さるわたり けいた)に向けて、父親の猿渡富彦(さるわたり とみひこ)からこの言葉が発せられたのです。

画像2:第一話で息子の慶太をぼやく父の富彦(草刈正雄)

これに続いて、他の社員やヒロインの九鬼玲子(くき れいこ)から「馬鹿」(ばか)が連発して表現されており、どうやら「猿渡慶太(三浦春馬)は馬鹿(ばか)」という印象をドラマの最初から与えるようにセリフが組まれているとも見えるのです。

この猿渡慶太の役どころは、お金の使い方に非常識な社長の息子という設定ですから、周囲に馬鹿(ばか)と呼ばれても違和感のないものになっています。

これらの設定が果たして本ブログで指摘したユダヤ十二支族による歴史的背景を意図していたものかどうか?コメディものではありがちな設定とも言えるので、この段階では何とも判断できないとしておきましょう。

■カネ恋と猿の暗号

さて、このドラマで気になるのは、登場人物名の多くが干支の十二支に登場する動物名にちなんで付けられていることで、それについては「佐瑠女神社と三浦春馬の呪い」で既に述べており、方位による分析も行っています。

このドラマの隠された意図を理解する上で最も重要と思われるのが、何と言っても主役の名前

 渡慶太

でしょう。

そういえばこのドラマ、慶太の勤める会社が父親の経営するおもちゃの製造会社「モンキーパス」ですし、ヒロインの玲子が慶太を知るきっかけとなったのが「猿が描かれた小皿」。慶太は猿が描かれたビンテージアロハを着ているし、この会社が制作した猿型のロボットはドラマの中でまるで準登場人物のような扱いをされています。

とにかくこのドラマは「猿」尽くしなのです。

画像3:猿之助(左)と猿彦(右)

ここで注目なのが、慶太が日頃側に置いて大事にしている猿型ロボットの名前が「猿彦」(さるひこ)であり(画像3)、これは日本神話に登場する猿田彦(さるたひこ)とそっくりな名前であると言えないでしょうか?ここで、本ブログがテーマとしている日本古代史と話が繋がってくるのです

ちなみ「猿之助」(えんのすけ)の方は、父親の富彦が側に置いているという設定となっています。

父親の富彦と息子の慶太が、猿型ロボットを常に大事に手元に置いている。コメディドラマでは割りとありがちな、つまらないことへの愛着を極端に強調した表現のようにも見えますが、果たしてそれだけなのでしょうか?

これを理解するためには、名前をもじられた日本神話の神「猿田彦」についておさらいする必要があります。猿田彦については、アニメ表現の分析を中心に過去に何度か記事にしていますが、「令和五年のブログ記事まとめ」の中の小見出し「記紀から名を消された古代王」に短くまとめていますので、まずはそちらをお読みになってください。

秀真伝(ほつまつたえ)には、火明命(ほのあかりのみこと)と瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)との2王朝並立時代があったと記されています。火明命とはこれまでの分析から猿田彦その人であることが分かっています。

万世一系を信条とする皇統論の中では2王朝並立期などあってはならない話であり、そのため、猿田彦とは火明命の蔑称として後の歴史家が付けた名前なのであろうと私は見ています。

その歴史から消されたはずの古代王を何故ここまで前面に押し出して来たのか?それについての詳細は未だ不明ではありますが、おそらくこのドラマが構成している「方位の呪術」と大きく関係しているのではないかと予想されるのです。

■猿のユダヤ解釈

さて、ここでちょっと困ったのが、これまで三浦春馬さんと竹内結子さんの名前に込められた意味を、それぞれ「馬鹿」(うましか)、「鹿」(しか)と分析し、そこからユダヤ十二支族のイッサカル族(馬)とナフタリ族(鹿)との関係性を割り出したのですが、「猿」については十二支族のそれぞれ紋章の中に見当たりません。

画像4:ユダヤ十二支族の紋章

やはり、ユダヤ解釈では無理があるのか・・と考えあぐんでいたところ、前述した「2王朝並立時代」という言葉の中に大きなヒントがありました。

旧約聖書をお読みになる方ならご存知のように、サウルから始まるユダヤの王統は、2つの王朝に分裂します。それは

 ユダ王国 と 北イスラエル王国

です。

ユダ王国は、ユダ族とベニヤミン族が中心となった王国、北イスラエル王国はそれ以外の10支族により構成されています。この2国はしばらく並立しますが、後にまた一つの王朝へと戻ることになります。

これだけだと、2王朝並立の部分が同じだけだと言われそうなのですが、この王朝分列のきっかけとなったのが、イスラエル王国の第3代王となった

 שלמה

これは「シェロモー」に近い発音なのですが、一般音訳では

 ソロモン

と表記します。

ヘブライ語は基本的に母音表記をしないので、これを英字表記にすれば

 SLMN

となります。

私が気になるのはこの

 SL(של)

の部分で、母音の添え方次第で幾通りにも読めるのですが、その中にSaLu(サル)も含まれることは注目に値します。

ソロモン王は、ユダヤの王の中でも知恵に秀で、王国に最も繫栄したもたらした王とされていますが、エジプトのファラオの娘を娶ったり偶像崇拝に走るなど、ユダヤの教えを破った最も堕落した王と評されることもあります。

要するに、猿田彦という名には、獣として蔑視の意味を込めた「猿」だけでなく、ユダヤの王朝並立を招いてしまったソロモン王への揶揄が込められているとは考えられないでしょうか?

もっと直接的に表現するならば、猿田彦、すなわち火明命とは、古代ユダヤ王権、特にソロモン王と関係する人物ではなかったのかとも考えられるのです。

しかし、仮にこの説が正しいとしても、どうしてカネ恋の中でここまでソロモン王が強調されるのかについては、やはりよく分からないままなのです。

ここで、呪術的な論理による解釈を許していただけるなら、猿渡慶太こと三浦春馬さんはドラマの収録途中でお亡くなりになった。彼の芸名には、イッサカル・ナフタリの2つのユダヤ支族の名が刻まれているが、同時に、役名として与えられた猿にはユダヤ王ソロモン、そして火明命の名も刻まれていた。要するにこれらまとめて

 素姓を隠したまま死ね

という呪いだったのではなかったのか・・・

ダビデは妻バト・シェバを慰め、彼女のところに行って床を共にした。バト・シェバは男の子を産み、ダビデはその子をソロモンと名付けた。主はその子を愛され、預言者ナタンを通してそのことを示されたので、主のゆえにその子をエディドヤ(主に愛された者)とも名付けた。

サムエル記下 第12章24,25節



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