-琥珀に刻まれたメッセージ-
アニメ映画「千と千尋の神隠し」(以下「千と千尋」と記述を省略)、これまでの考察からその裏ストーリーが示すこの映画のモデル地を、
千葉県東総地区(現銚子市・旭市・東庄町)
と特定し、また、映画に描写された構図などから、「油屋」のモデルが、千葉県銚子市に鎮座する
猿田神社
であることを導きました。
この結論に対し、関東の東の外れにあるいかにも閑散とした地方都市と、あまり有名とも言えない田舎の神社が、どうしてあの大ヒット映画の聖地になり得るのか?と、まだ納得できない読者様も多いかと思います。
そこで、前回は省略しましたが、上記の結論でほぼほぼ間違いないだろうという、決定的な事実をここでお知らせします(メルマガ8月16日号では解説済)。
■舞台特定の決め手:琥珀
ご存知の様に、上図はこの映画の主要登場人物の一人である通称「ハク」であり、そして湯婆に奪われたその本当の名は
ニギハヤミコハクヌシ ・・・(1)
であることを思い出してください。次に以下の図を見ていただきたいと思います。
溺れた千尋を助けたのが白い龍神となった「ハク」なのですが、この川の名前は何であったでしょうか?そうです、
コハクガワ ・・・(2)
なのです。
(1)と(2)に共通する文字列が「コハク」となることはすぐに気付かれたと思いますが、同時に、この様に重ねて命名するからには、この文字列に何か特別な意味があろうことは、読者の誰もが想像し得るのではないでしょうか?
「コハク」とは素直に解釈すれば「琥珀」、英語で言うところの amber(アンバー)であり、太古の樹脂が化石化したものです。宝石などに興味がある方なら、宝石の原石の一種であることは既にご存知かと思います。
実はこの琥珀、日本にもその産出地として知られた土地が二箇所あり、その一つが
千葉県銚子市
なのです。そして、縄文時代には既に琥珀を加工していた痕跡が銚子の遺跡からは見つかっています。
日本全国でも産地が限られている「琥珀」。その「コハク」の呼び名が映画の中で重ねて使われているだけでなく、その主要産地までが、これまでの考察によって得られた映画のモデル地「千葉県東総地区」とピッタリと重なるのは、もはや偶然で済まされる話ではありません。この映画は
明らかに千葉県東総地区を意識している
と断言しても良いのです。
そして、琥珀とは元々樹脂でありますから、当然ながら油の一種です。前回の記事で取り上げた当地の産物を併せて列記すると次の様になり
1)醤油
2)椿 (種子から油)
4)紅花 (食用油)
3)キャベツ (アブラナ科)
4)養豚 (脂肪の多い食肉)
5)琥珀 (樹脂)
以上の様にどのアイテムも「油」に絡んでくるのです。ですから、映画の中で湯処であるはずの「湯屋」がどうしてわざわざ「油屋」と表記されているのか、この「油」の一文字を見ただけで、この映画のモデル地がどこであるのか特定できるようになっているのです。
■千尋の母の声は沢口靖子さん
ここまで諸要素が重なると、もはやモデル地を特定するアイテムを羅列することに意味は無いのですが、もう一つだけ、千尋の母の声を担当したのが女優の沢口靖子さんであったことは特筆しなければなりません。
沢口靖子さんと言えば、以前にも触れましたが、1985年4月~9月放映のNHK朝の連続テレビ小説「みおつくし」で主演デビューしたことで知られています。
覚えておられる方も多いと思いますが、このドラマの舞台とは「銚子」の「醤油」蔵だったのです。ここにも、声優の配役を通して、銚子と繋げようとする映画制作側の強い意図を感じずにはいられません。
この「みおつくし」という名前、昨年の記事「椿海とミヲの猿田彦」で解説したように、非常に注意が必要です。なぜなら、秀真伝によると「みお」とは猿田彦が宮を築いた土地名を指し、「つくし」とはすなわち「筑紫」、日本神話においてニニギノミコトが天孫降臨した九州北部を指す地名で、その天孫降臨は猿田彦の導きによってなされたとされています。
ここでいよいよ歴史の暗号が絡んでくる訳なのですが、「銚子」と「猿田彦(神社)」というキーワードのセットが、沢口さんを通して「みおつくし」と「千と千尋」の両方に出現するという事実には何か非常に強い作意を感じます。
「みおつくし」が放映されていたその期間(1985年4~9月)に、ちょうどあの123便事件が発生しました。この1985年という年に注目することにより、「千と千尋」の細かい設定の中に別の意図が潜んでいることが分かってくるのです。
■千尋の家族が「荻野」姓である理由
千尋とその両親の荻野(おぎの)家は、廃墟となったリゾート地に迷い込みます。料理の良い匂いに誘われ、3人は無人の商店街に迷い込むのですが、その時の街の描写をよく見て頂きたいたいのです。
私もそうでしたが、このシーンを見て誰もが薄気味悪さを覚えたのではないでしょうか?特に気になるのは、まるでつげ義春氏の漫画の世界を思い出させる次の看板だったのではありませんか?
ここが眼医者なのか薬屋なのか、あるいは眼球そのものを売買しているお店なのか分かりにくい看板ではありますが、陰謀論でお馴染みの「プロビデンスの目」と見ることもできます。しかし、この気色悪さだけに注目しているとそのデザインの真意は見えてきません。
このシーンの中に「荻野」さんたちの居ることが非常に重要なのです。私たちは深層心理の中で、視覚や聴覚で得た膨大な情報を無意識の内に組み合わせて解釈していると考えられるのですが、すると、このカットから次の様なの組み合わせが生まれることもご理解できるでしょう。
「荻野」+「め」 → 荻野目
「荻野目」とは普段はあまり聞きなれない言葉ですが、バブル時代に活躍したアイドル歌手に「荻野目洋子」さんがいたのをかすかに思い出します。そう言えば、彼女の代表曲で(唯一の?)大ヒット曲でもある「ダンシングヒーロ―」は、最近でも時々耳にすることがあったかもしれません。
ここまでの関連性は、何だか思い付きベースであまり説得力が無いように見えるかもしれません。しかし、ここで荻野家の一員である千尋の母、その声優が沢口靖子さんであることが意味を持ってきます。次を見てください、
みおつくしの放映:1985年(4~9月)
ダンシングヒーローの発売:1985年(11月21日)
この突拍子もない組み合わせは、「1985年」をキーに強く結びついてくるのです。さて、それではなぜ「ダンシングヒーロー」なのか?
実はこの曲にには次の様な英語のサブタイトルが付けられています。
Eat You Up (お前を食ってやる)
これは、「食べたいくらい可愛い」などの意味で使われることの多いフレーズですが、状況が分からない場合は、上記の直訳の通りとなります。つまり、これこそがこの複雑かつ精密な設定が伝えようとしている最終メッセージであると考えられるのです。
映画では、千尋の両親は豚に変えられ、まさに「食われる」前に二人を助け出すことが千尋の急務となるのですが、観賞者の心理を利用したこの細かな伏線が、単に映画の切迫したムードを補強するために張られたとは考えにくいものがあります。
おそらく、裏ストーリーに描かれた日本古代史上の人物に対して、同時にこの映画の観客に対しても呪いを掛けていると思われるのですが、呪い云々については(真)ブログの方で取り上げるとして、ここでは現代においてもなお呪いをかけ続けられる古代史上の人物とはいったい誰なのか、そして千葉県東総地区とは古代どのような場所であったのか、史書などを基にそれを分析していきたいと考えています。
繰り返しますが、1985年は123便事件のあった年です。123便事件がその何年も前からメディア戦略を駆使して周到に準備されたものであることは(新)ブログの「芸能界の闇」シリーズで幾つか論証していますが、今回の分析により、少なくとも「千と千尋」が公開された2001年当時まで、123便事件に関わる、またはその流れを汲む大衆洗脳の心理戦術が継続され続けていたものと考えられるのです。その目的はいったい何であったのでしょうか?
* * *
主要登場人物の分析は次回より始めたいと思いますが、その一人である「ハク」という呪い名に、「琥珀」の他にどのような意味が込められているのかを考えてみてください。
古の世を刻みし琥珀石に問ふ
管理人 日月土
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